地獄の滝行
「そうだ・・・滝に打たれに行こう!」
2002年の10月某日。俺は何故だか急にそう思いたった。
長野の短い夏はとうに終わりを告げ、吹く風は秋の気配を運んでいる が、
思い立ったら即決行。
そんな俺の信念のもと、いつものように呼び出されるメンバー。
ハルキ、紳さん、マッチー、づや。
マッチー以外は明らかにやる気がない。
というか皆はっきりと拒絶反応を示している。
「なんだよ滝行って!」
「絶対イヤだよ!」
「てか今10月だよ!?」
うるさい奴らです。
しかしそうは言いながらも皆ちゃんと水着持参で集まってくれています。
みんな滝行が大好きなんじゃん。
かくして、俺の思いつきだけで急遽開催されたこの企画。
車はメンバーを乗せて一路、新潟へ。
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新潟県のとある山奥。この山奥に、今回滝行をする滝がある。
駐車場から登山道を歩くこと30分。深い谷間にその滝はありました。
【惣滝(そうたき)】
落差85m!!
※動画です。
もう・・・なんというか、大きすぎます。
ビデオを撮っている位置はかなり離れているのですが、水しぶきがガンガン飛んできます。
おかげでカメラのレンズが水滴だらけ。しかも、滝がフレームに収まりきりません。
それぐらいの滝です。
一同、戦闘服(水着)に着替えて滝に向かいます。
寒い。
季節は10月。
標高は1300m。
やっている行為→水浴び。
なんて言うかですね・・・当然なんですが滝に近づくにつれ、水しぶきが尋常じゃないんですよ。
息をすると、肺に水が入るような・・・滝にうたれる前なのにすでに全員びしょ濡れ。
寒い。ただただ寒い。
でも、それと反比例するかの様に上がる俺たちのテンション。
「ひょ~!!すっげえ!!すっげえ!!」
「チョー気持ちいい!チョー気持ちいい!!」
「やっべ!全然寒くねえ!!全然寒くねえ!!!」
みんな頭のネジが一本飛んでしまったようです。
こうなると後は勢いに任せて滝に打たれるだけ。
奇声を上げながら滝に突入していきます。
!
「痛ってええええ!!」
激しい痛みが体を襲ってきました。
例えるなら、『水滴が散弾銃のように・・・』と云った感じ。
水ってこんなに硬くなるんだぁ・・・と。
しかし、不思議なもので暫くするとこの痛みにも慣れ、
なんとか滝行をすることが出来るように。
拝む五人。
頭からこれだけ勢いよく水をかぶっていると
不思議な事にだんだんと気持ちよくなっていきます。
もう寒さも気にならなくなりました。死ぬ一歩手前だったのかな?
余裕のピース
※こちらは動画です。
ひととおり滝行を楽しんだ俺たちは、唇も青くなりはじめたので
引き上げる事にしました。
滝に打たれて何かを悟ったハルキ氏。
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この後、滝のすぐ近くから温泉が沸いているのを発見したので浸かることに。
冷え切った体には温泉が一番です、が
この温泉、お湯が沸いているだけで湯船が無い。
仕方なく湯船を作る紳さんとづや。
なんとも覇気を感じない二人。
だらだらと石を積む姿は賽の河原の餓鬼の様。
湯船なんて作ってらんねぇよ!
優雅に打たせ湯を楽しむ俺とマッチー。
お湯は多少ぬるめだが、冷えた体には丁度いい。
微妙な湯船に浸かるハルキと紳さん。
20センチほどの深さの湯船に必死で浸かる二人。
なんとも野趣溢れる温泉でした。
こうして疲れを癒した一行は、滝行をやり遂げたという満足感を抱いて家路についたのでした。
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初めはあんなに嫌がっていた皆も、帰る頃には
「一生の思い出になったよ。」
「最高だった。」
「やっぱりゴウの企画は素晴らしいぜ!」
「ありがとう、ゴウ!バンザーイ。」
と、言ったとか言わなかったとか・・・。
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